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【読書感想言わない文】すべてがFになる

すべてがFになる」(森 博嗣)

 

ここ数年

数学や理科を苦手とする生徒が増えている

ような気がしている。

 

速さ・時間・距離の問題や

歩合や百分率などの割合の問題はもちろん

根本的な四則演算からしてあぶない。

そんな生徒がざらにいる。

 

大人になっても

速さと速度の違いを説明できない人は多いし

8%の消費税の計算をぴったり暗算せずに

レジに任せることも多いだろうから

「できなくても生きていける」のだろう。

 

電流や電圧が分からなくても

溶質・溶媒・濃度の計算が出来なくても

生きていけるから良いというのなら

それでいい。

 

さて、生きていくためには

生活費を稼がねばならないだろう。

どうせ働くのならば

やりたくない仕事よりも

やりたい仕事に就く方が良いだろう。

 

で、ようやくめぐりあった「やりたい仕事」には

やりたくない仕事も当然くっついてくるし

苦手なことにも挑戦しなければならないし

未知との遭遇の連続の中で

答えのない答えを出していかなければならない。

やりたいことだけできる仕事なんてものは

たぶん、ない。

 

そこで役に立つものの中に

論理的思考力というものがある。

論理とは道筋のことであり、

すなわち

物事を法則的につなぎ合わせていくことだ。

 

未知のものを

自分の知っている物事に結び付けていくことで

体系立てて理解していくことができる力である。

 

「生きていく」だけなら必要ないかもしれないが

より良く「生きていく」ために大いに役立つ考えである。

 

数学や理科という科目は

さまざまな分野から成り立っていて

得意・不得意な部分が出やすいものだが

好き嫌いを乗り越えて

答えを論理的に導き出す楽しさを

味わってもらいたい。

 

さて「すべてがFになる」は

作者の森博嗣氏が名古屋大学助教授時代に書いたミステリである。

氏は工学部の先生であったため理系用語が飛び交うので

物語の展開の面白さはもちろん

理系の知的好奇心が刺激される一冊である。