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【読書感想言わない文】文福茶釜

「文福茶釜」(黒川 博行)

 

日本では中学三年までが義務教育だ。

 

十四五にもなれば子どもではないが

かと言って自立が出来るほどの大人でもなく

云わば半人前の時分に岐路に立たされる。

 

ー進学か、それ以外か。

 

かねがね言われてきているように

日本ではお金と仕事に関しての知識を

基本的なことすら教えてもらえない。

しかも、

進学に関する情報も各自で収集しなければならない。

 

半人前の状態で社会に出ざるを得ない人間がいる以上

せめて自立の足がかりとなる知識や情報は

義務教育期間中に与えるべきだと思う。

 

情報化社会の成熟に伴って

誰しも簡単に様々な情報に触れることが出来るようになった。

 

しかし一方で、

それらの情報は

玉石混淆ならばまだしも

真贋入り混じっている。

 

悪意を持った人間が

お金や仕事に関する贋の情報を流し

半人前が真に受けて潰される。

そんなことが日常的に起こっている。

 

古き良き時代のムラ社会であれば

年長者たちが若者たちに

あれこれ指南してきたことだ。

 

皮肉なことに

より多くの情報に囲まれているにもかかわらず

正しい情報を信用できる人間から受け取る機会が

激減しているのである。

 

国を作るのは教育である。

二次関数や関係代名詞も大事だが

日本を支える若者たちにはもっと

生きるための教育もしなくてはならないだろう。

 

「文福茶釜」(黒川博行氏)は

古美術をめぐる騙し合いの話である。

作者の黒川氏は高校の美術教師という異色の経歴を持つため

その美術に関する深い造詣に思わずうならされる。

 

真贋を見極める目を持つには

多くの失敗も必要となるはず。

それが命取りとならないよう

微力ながら塾生を支えていきたい。