【読書感想言わない文】夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女」(森見 登美彦)

 

学習塾の塾長という立場上、

「読書はした方が良い」

と塾生に言う機会は、やはりある。

 

やれワーキングメモリが鍛えられるとか。

やれ読める漢字が増えるとか。

やれ語彙が身に付くとか。

実際、勉強に役立つことは多い。と思う。

だから、こうした読書の利点を説くことがある。

 

「子どもに読書はさせた方が良いですか!?」

教育熱心なお母様方からこう問われれば、

「是非」

と答えるようにもしている。

 

が。これは立場あっての発言。

 

不純だなと思う。動機が不純。

 

学習書や自己啓発本は別として、

「勉強をできるようにする」という目的の為に、

読書を手段とするなんて、ものすごく遠回りだ。

 

サッカーが大好きで

毎日毎日サッカー漬けで

気づいたら足が速くなっていた。

 

というのはよくわかるけど

 

速く走れるようになりたいから

サッカーをする。ってのはどうなのか。

 

それと同じで、

本が好きで好きで大好きで

読書漬けというか

もはや活字中毒になってしまって

気づいたら難読漢字も難解な展開も苦にならないぜ!

というならわかる。

 

目的が逆なら、心が折れるわ。

 

 

本は、どっぷりとのめり込むように読めよ!

 

小説家の生み出すその物語に、

ただ単純に感動すれば良いと思う。

 

常人では持てない熱量で、

膨大な時間をかけて、構成を練り、取材をし、推敲を重ね、

人生を懸けて世に問うた作品に対して、

ただどっぷりとつからせてもらえば良いと思う。

その至高の贅沢にのめり込めば良いと思う。

 

 

森見登美彦氏のこの「夜は短し歩けよ乙女」を、

もしうちの塾生が手にすることがあれば、

是非そのような姿勢で読んで頂きたい。

というか、気づけばそうなっている。そんな一冊。