【読書感想言わない文】午後からはワニ日和

「午後からはワニ日和」(似鳥 鶏)

 

夏期講習が始まった。

学校が休みになると、起床時間が遅くなる生徒が多い。

いつもより多く眠りたい気持ちはよく分かるし、

そんな日がたまにはあってもよいとも思っているが、

基本的には、いつも通りの時間に起きるべきだ。

 

君たちに言いたいことは2つ。

 

①成長ホルモンの恩恵を受けるべし。

以前は成長ホルモンはゴールデンタイム(22時~02時頃)に

多く分泌されると言われていたが、最近の研究によると、

成長ホルモンは特定の時間に分泌されるという訳ではなく、

入眠後最初の3時間に多く分泌されることが分かってきたそうだ。

しかし、眠りの深さよって分泌される量が変わってくるため、

最初の3時間で深い眠りにつけるようにしなければならない。

睡眠ホルモンが減少してくる03時~05時以降は眠りが浅くなるので、

その前に3時間を確保しようとなれば、00時までの入眠が必要となる。

 

遅く起きた日は、やはり遅くまで起きてしまうものだ。

十代の前半で、身も心も大きく成長するこの時期に、

成長ホルモンの恩恵を受けないなんて、勿体無いにも程がある。

 

②時間のコントロールをするべし。

学校の通常授業が無いとは言え、部活や友達付き合い、

塾やその他の習い事、それに加え夏ならではのイベントもあり、

大人から見ても多忙だと思う。

中学時代の夏休みはエンジョイするべきだし、

同時に未来への投資=勉強も一生懸命するべきだ。

睡眠時間も含め、あらゆるスケジュールをコントロール

これらを両立させ充実させてほしい。

 

さて、「午後からはワニ日和」(似鳥 鶏)であるが、

これはある動物園から狂暴なイリエワニが盗まれ、

飼育員である主人公が解決に乗り出すという話だ。

 

超個性的な飼育員がぞろぞろと出てきて、

彼らの掛け合いを読むだけでも面白いが、

個人的にはあまり馴染みのない「動物園の飼育員」の日常を

垣間見ることができる点が良かった。

 

彼らは動物とともに生きている人々だから、朝は早い。

出産の立ち合いや看病などが発生すれば泊りがけで対応する。

命を預かる仕事というものは、やはりタフでなければ務まらない。

 

主に自分のためだけに時間を使えるときは、

せめて自分の世話は一生懸命するべきだよ。

 

【読書感想言わない文】ブレイブ・ストーリー

ブレイブ・ストーリー」(宮部みゆき

 

間もなく暑くて熱い夏がやって来る。

 

以前、職場の上司が朝礼で

「暑いから、寒いからと言って

成果に影響があって良いわけがない。」

と営業部員たちに話していた。

 

仕事は仕事。

やるべきことはやってあたりまえ。

それをやり切らないことに対して、

外に理由を求めてはいけない。

 

本当にその通りだと思う。

 

気温によって体調を崩したり、

天気によって行動に制限が出たりして、

本来のパフォーマンスが出せないことも

それは自分の管理や工夫が足りないことが原因であると反省し

同じ過ちを繰り返さないようにすべきだ。

 

さて「ブレイブ・ストーリー」であるが、

これは小学5年生の主人公が幻界を旅する物語である。

先入観を持ってほしくないので、作品の内容には触れないが、

日本一印税を稼ぐ女流作家の異次元の腕力に振り回されて

本を閉じたときには一緒に長い旅に出たかのような

心地よい疲れを感じた。

小中学生にはおすすめの本である。

 

タイトルにもあるように、本当の意味での「勇気」とは何か

それを読者に問いかけているように感じる。

 

自分の人生を自分で切り開いていくこと。

それは自分の人生の責任を背負うことでもあり、

他者に責任を転嫁しない心の強さを持つことでもある。

 

失敗を恐れない勇気。

失敗を他者のせいにしない勇気。

失敗から立ち上がる勇気。

そしてそこから未来に向けて前進していく勇気。

 

塾生にはアツい夏期講習を

勇気をもって乗り越えてほしい。

 

【読書感想言わない文】本日は、お日柄もよく

「本日は、お日柄もよく」(原田 マハ)

 

前期中間試験も終わり、

三年生は修学旅行もあって、

ほんわかふんわりした雰囲気が漂う

今日この頃。

 

メリハリ大事だからね。

テスト明けに鬱憤を晴らすのは良いことだけど。

もう一度言うけど、

メリハリ大事だからね。

テスト明けでも勉強するときは集中して勉強しろよ。

 

さて「本日は、お日柄もよく」(原田マハ)だが、

これはスピーチに焦点を当てた異色の小説である。

 

人に聞いてもらえるスピーチ、

人の心を動かすスピーチをするには

どうしたらよいのか。

 

そんなスピーチに関するイロハが

随所に織り込まれていて、

人前で話すことを仕事とする自分としては、

自己啓発本としての価値も十分にあった。

 

ただし、この小説の面白いところは

スピーチを軸にしながら

徐徐に日本を動かすようなスケールの大きな話と

発展していくダイナミックさにある。

 

一所懸命、

何かを究めた人は

それがどんな分野であれ

必要としてくれる人が必ず現れる。

 

そう感じさせてくれる本だ。

 

中学生にもオススメ。

【読書感想言わない文】ジェノサイド

「ジェノサイド」(高野 和明)

 

光陰矢のごとし。

新学期が始まったと思ったら

すぐそこまで前期中間試験が迫ってきている。

と感じている生徒も多いと思う。

 

一方で着実に試験対策を進めている生徒もいる。

 

この違いは、未来に対する想像力の違いと言えるかもしれない。

 

年間行事予定表に掲載されている各定期試験の日程を見る。

自分の成績を具体的にどの程度上げたいのか目標を決め、

試験でどの程度の成果を残すべきなのかを考える。

試験の日程から逆算し、

いつまでにどの程度の実力を付ける必要があるのか。

実際に勉強に充てられる時間はどの程度なのか、

試験前後で提出すべきものがあるならば計画的に備え、

直前になって「提出のための作業」の発生を防ぐ。

 

などなど、試験に向けて様々な角度から想像をめぐらす。

 

そして現状と理想とが乖離しているならば

必死に差を埋める行動を取る。

 

そういうことが出来る子は、やはり強い。

 

無論、これが出来る生徒は少ないことは分かっている。

少ないから、我々も日々メッセージを送り続けるし、

出来る生徒のやり方やペースを真似していく中で

成長していって欲しい。

 

さて、「ジェノサイド」(高野 和明)。

ジェノサイドとは「大量殺戮」の意味であり物騒なタイトルである。

 

この小説には、人類滅亡を引き起こす可能性のあるシナリオを考察し、

それをまとめたレポートが出てくるのだが、

この内容が非常に興味深い。

 

未来に対する想像力が桁外れである。

 

 

人間と他の動物とで決定的に違う部分の一つは、

様々な「未来」を想像できるということだろう。

過去の失敗や経験から、それを未来に活かす程度のことは

他の動物でもできる。

ただしゼロから思考・想像を重ねて、それを実現させていくことは

他の動物には真似が出来ない。(はず。)

 

未来を想像できない以前に、

失敗からも学べないようでは、

半人前と言われて当然である。

【読書感想言わない文】烏に単は似合わない

「烏に単は似合わない」(阿部 智里)

 

4月に入り、今日で春期講習も最終日である。

入学・進級し、新たな環境で最高のスタートを切れるよう、

短い時間ではあるが、とっておきのエッセンスを凝縮して渡してきた。

 

新中学一年生クラスで

アルファベットをきちんと書けなかった子たちが、

英単語の100問テストで満点やそれに次ぐ成績を収めているのを見ると、

子どもたちの成長のスピードに驚かされる。

 

やはり、過保護に簡単なことばかりをやらせるのではなく、

ちょっと(かなり)厳しい目標を設定して爆走させた方が、

出来たときに得られる達成感が違うのだろう。

そして、それに対する称賛。嬉しそうな顔。

 

一度「やれば出来る」「出来ればかっこいい」ことが分かれば、

あとは勝手に突っ走ってくれる。

途中で失速しないよう、しっかりサポートをしていこう。

 

さて、「烏に単は似合わない」(阿部 智里)であるが、

作者は若干二十歳で松本清張賞を受賞した。

これは史上最年少である。

 

これまで同賞受賞者には、

日本を代表する大作家がずらっと並んでおり、

同賞受賞作品は言うまでもなく傑作ぞろいだ。

この作品はそこに並べてなんら遜色の無い

すばらしいものだった。

 

本書解説にもあったが、

傑作には「まぐれ」が存在する。

その作品自体はまぎれもなく傑作ではあるものの、

以降の作品がいまいちという作家も多くいる。

 

では阿部氏はどうか。

デビュー作における世界観や設定の

スケールの壮大さ、細かい部分への配慮を見る限り

それは杞憂だろう。

 

出る杭は打たれるとは言うが、

若き才能に嫉妬する一部の人間の声などに

耳を貸す必要はない。

このまま突き進んでもらいたい。

 

当塾に通う原石たちも、

年齢など気にせず大いに才能を磨き

輝いてもらいたい。

【読書感想言わない文】64(ロクヨン)

「64(ロクヨン)」(横山 秀夫)

 

2月末に、神奈川県公立高校の合否が発表された。

満点道場は見事、全員合格。

合格圏外からもギリギリまで粘って勝ち取った生徒もいる。

ひとまずはお疲れ様。残りの中学生活を楽しんで下さい。

 

でも、高校入学はゴールではないからね。

今日から高校準備講座も始まるから、

せっかく身に付けた学習習慣はキープし、

次の目標に向けて少しずつ歩き始めること。

 

さて標題の64(ロクヨン)は

警察の広報部を舞台に

マスコミとの衝突や警察内部での衝突などを描いた作品で

これまでの警察小説とは違った切り口なので

それだけでも新鮮で面白い。

丁々発止のやりとりには臨場感があり、

あっという間に引き込まれた。

 

なおかつ昭和64年に起こった未解決の誘拐殺人事件の影が

時効間際に鎌首をもたげ、物語に緊迫感を与える。

 

作中に「たまたまが一生になることがある」という台詞が出てくる。

物語の展開についてはここでは伏せるが、

とても胸に響く言葉だった。

 

人と人との繋がりとは分からないものだ。

1対1の家庭教師から5年。

100名を超える生徒に対して責任を持つことになるとは

あのときには思ってもいなかった。

たまたまが一生の仕事になるような予感がしている。

 

今回、晴れて高校に合格した面々も

これから想像をはるかに超える人生の展開に

喜び悲しむこともあると思う。

 

そのときそのときを

一生懸命に生き抜く以外に方法はない。

明日の為に今日を生きるのではなく

今日の為に今日を生きる、

そんな愚直な姿勢が大事になることがあると思う。

 

でも

どうしても困って二進も三進も行かなくなったら、

いつでもここに来れば良いよ。

たまたま生徒と先生という縁で繋がったけど、

一生の付き合いにしていこう!

【読書感想言わない文】探偵の探偵

「探偵の探偵」(松岡 圭祐)

 

神奈川県では原則全ての公立高校入試で面接が行われる。

そして多くの高校で、

調査書(内申点)4:学力検査4:面接2の割合(※)で評価される。

かなりエグイ。

(※比率が異なる高校もある。また別途特色検査や実技検査を行う高校もある。)

 

内申点は3年間かけて積み上げていくものだ。

そして、学力検査も入試に向けて長期間猛勉強をしていくものだ。

しかし、面接はたったの10分。

たったの10分で内申点や学力検査の半分の点数を評価されてしまう。

 

だから、当塾では

徹底した面接対策を行う。

そして、我ながら超圧迫面接だと思う。

内容を優れたものにしていくことはもちろん、

面接時の度胸も大事だからだ。

 

当日は見知らぬ大人二人を相手に面接をする。

しかも自分の人生がかかった大一番だ。

緊張しないわけがない。

 

普段から、厳しい面接を練習していれば

当日も臨機応変に振る舞える。

 

過去の卒業生たちも口を揃えて

「面接は余裕でした」と言う。

「先生たちほど怖くはなかったので」と。

 

ここのところ毎週土曜・日曜は面接練習だ。

少しずつレベルが上がってきていることが実感できるものの

まだまだ完成にはほど遠い生徒もいる。

残された時間はあと二週間。

最悪を想定して、最高の準備をしていこう。

 

さて「探偵の探偵」(松岡圭祐)であるが、

主人公は「対探偵課」に所属する探偵である。

調査力を悪用する探偵が世には沢山いる。

その探偵を探偵し、業界を自浄していく役目を担うのが

対探偵課=探偵の探偵である。

 

探偵同士の抗争にもつながるため

最悪を想定して、最高の準備をしている。

この準備が臨機応変さを生み出す。

 

そして最後に、

勝負を分けるのはやはり度胸の差であると

思い知らされる。

 

今日も心を鬼にして

怖い面接官役に徹しようと思う。